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インラインガスモニター
IR-150S/L
技術資料
赤外吸収の原理−どうして赤外波長領域に吸収帯が現れるのか
一言でいうと赤外スペクトルは分子振動数に同調した波長の光を吸収するために起こる。
では、なぜ分子が光を吸収するのかを簡単に説明する。
まず分子中の2つの原子の結合を例にとる。それぞれ質量を持つ原子(完全弾性とする)がバネ(分子結合)で結び付けられ、このバネが伸びたり縮んだりと伸縮運動を行っているとする。分子結合の基準振動の振動数は、この理想原子調和振動子の振動から吸収帯のエネルギーが生じると想定することによって大まかに説明すると、バネの単振動運動の周期Tは、
となり、振動数は、 ここで、kは力定数、μは換算質量で、結合している原子質量をm1,m2とすると、μ=m1 x m2/(m1+M2)である。振動数νを真空中の光速度cで割ることにより波数が求まり、つまりは原子質量の組み合わせによって固有の振動数を持つことがわかる。
以上は2原子を単純化して考えた場合であり、他原子分子間、近傍にある原子、原子団の電子受容性・電子供給性、分子結合の強さ・長さが実際のスペクトルに影響してくるので一概には数式どおりにいくものではない。
実際の分子では結合している2つの原子のそれぞれの原子雲は、化学結合の収縮過程で、原子核の接近を制限し、エネルギーバリアを生じる。一方、化学結合の伸長過程では伸長のエネルギーレベルが解離エネルギーに達すれば、化学結合は壊れることになる。
Fig.1に分子間のエネルギーダイヤグラムを示す。より小さな距離では、バリアは急激に増加し、伸長の極のバリアはゆっくりと0となる。破線の調和振動子と比較してわかる様に、非調和振動子のエネルギーレベルは等しくない。
また、古典的なバネのモデルと異なって、分子振動のエネルギーレベルの個数は無限ではない。エネルギーの連続性の代わりに、量子論によって記述される跳び跳びのエネルギーレベルを取ることになる。
物質に光を照射すると、物質中に含まれている分子は、照射された光の中から、跳び跳びの値をとっているエネルギー準位の差に相当するエネルギーを持つ光(振動数:νのみを吸収し、基底状態のエネルギー準位(Eg)から励起状態のエネルギー準位(Ee)へと遷移する。すなはち、分子は、Ee−Eg=ΔE=hνに相当するνの値を持つ光のみを吸収する。
IR-150を代替ガスにて校正を行っている理由
赤外特性吸収帯うち-C-Hの伸縮振動の基準振動により2960〜2850cm-1(3.38〜3.51)付近に吸収スペクトルとして見られる。前頁に述べたように結合している分子種類と、結合状態により振動数が決まり、固有の吸収スペクトルを持つことになる。 IR-150でC3H8を校正ガスとして使用しているのも、C3H8が分子構造上C-Hの結合を持つためであり、容易に、再現よく、安定した濃度を発生することが可能であるためである。NDir法(非分散型赤外吸光法)の測定器としては、吸光量として一定の基準を設けさえすれば、精度よく、機差の無い装置を供給できる。いわゆる、特定波長域の吸光度計あれば良く、IR-150はまさにこれに位置する。
次に赤外線吸収の吸光度と濃度とガス種との結びつきを考える。濃度を求める演算としてはLambert-Beer則に基づいており初期光量と、吸光後の光量との関数であり、一般的な吸光分析の軸となっている。
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